みなさんは会社で発生する契約書をどのように保管していますか? 「保管期間があるの?」「契約終了した契約書は捨ててもいいの?」など、契約書に関する基本的な疑問を解決していきます。
契約書って捨ててもいいの?
一言に「契約書」と言っても契約書やその関連書類にはさまざまなものがあり、どの書類が必要なのか迷ってしまいますよね。会社の保管スペースも圧迫され、処分できるものがあるなら処分してしまいたいものです。しかし、契約書はさまざまな法律によって保管義務と保管期間が定められており、個人の判断で捨ててよいものではありません。保管期間内に契約書を捨ててしまうと罰則が科せられることもあるため、注意が必要です。契約書やその関連書類の保管期間を覚えておき、しっかり管理していきましょう。
契約書の保管期間とは?
契約書はその種類によって、法人税法や労働基準法などさまざまな法律でそれぞれ異なる保管期間が定められています。(とくに建築関連の書類は、2005年に構造計算書を偽装した事件によって保管期間が延びており、長い保管期間が定められています)また、書類によって起算日(数えはじめの日)もそれぞれ異なっているため、間違えないように気をつけましょう。
保管義務のある書類を保管期間内に捨ててしまったり紛失してしまうと、故意かどうかは関係なく罰則が科せられることもあります。もし個人情報などが記載されている書類を紛失した場合には、大きな信用問題に発展し会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあり得ます。契約書に関わらず、保管義務のある書類はできればセキュリティや災害対策が取られている設備のあるスペースに保管しておきたいところです。
契約書の保管期間一覧
契約書は法律で定められた保管期間の間は保管しておかなければなりません。書類によってバラバラな保管期間を把握して分類していく作業は骨が折れますが、必要な作業です。一度ルールを作ってしまえば後々の管理がとても楽になりますので、保管のルールがないのであればしっかりとしたルールづくりをしておきましょう。
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ここでは、契約書とともに発生する契約関連書類の保管期間とその起算日(数えはじめの日)を、わかりやすいように一覧にしました。契約関連書類の保管をする際の参考にしてください。
保管期間:起算日
永久保管
効力存続中の契約書
15年保管
建築士事務所の業務に関する図書(契約書、設計図書等):作成日
10年保管
製品の製造・加工・出荷・販売記録:製品引渡日
建設業の営業に関する図書(完成図、打合せ記録、帳簿、契約書等):当該建設工事の目的物の引渡しをした日
7年保管
証憑書類(請求書、注文請書、契約書、見積書、受渡計算書、預り証、売買報告書、領収書、預金通帳、借用書等):帳簿閉鎖日および書類作成日・受領日の属する事業年度終了の翌日から2か月を経過した日
5年保管
産業廃棄物処理の委託契約書:契約終了日
雇入れ又は退職に関する書類(雇用契約書、労働条件通知書、解雇通知等):退職・解雇・死亡の日
賃金その他労働関係に関する重要な書類:最後の記入をした日 ※2020年改正
契約書や関連書類の保管期間はそれぞれ異なっているため、管理が大変だと感じるかもしれません。もし社内の保管スペースに余裕があれば、契約書とともに保管する書類の保管期間と比較し、より長い保管期間の書類に合わせて保管するという手もあります。契約書は長く取っておいて損はないため、破棄の手間が減り管理が楽になるでしょう。
契約終了した契約書の扱いはどうなるの?
契約書についてよく耳にするのが、「契約終了した契約書って必要なの?」という声です。しかし、そもそも契約書というのは前述の保管期間一覧の通り、効力が続く限り永久に保存しておかなければいけないものです。基本的に契約書の保管期間とは契約が終了した契約書に適応されるものだと覚えておきましょう。つまり契約が終了してから、保管期間の年数が経つまでは保管しておく必要があります。
また、よくある疑問として「他社からリースしたリース契約書は、リース期間が終わったら捨てても良いの?」「業務で借りていた駐車場の契約書は、解約したら捨てても良いの?」などの声もよく聞きますが、そういった契約にも金銭のやり取りが生じているため、その契約書は帳簿書類のうちの1つに分類されます。帳票書類は7年間の保管が義務付けられているため、契約終了後7年間保管しておきましょう。
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まとめ
契約書には保管義務があり、保管期間が経過するまでは保管が必要です。基本的に契約書の保管期間とは契約が終了したものに適用され、その期間は書類によりそれぞれ異なります。そのため、契約書やその関連書類はしっかり整理して保管しておきましょう。