「納品書って保管義務があるの?」「納品書の書類保管期間は?」そんな疑問を抱いたことはありませんか? この記事では、納品書の保管義務の有無、書類保管期間、書類保管方法など納品書にまつわるあらゆる疑問を解決します。納品書を保管しやすいように、納品書とともに発生する書類についても触れていきましょう。
納品書には保管義務がある?
みなさんは納品書をきちんと保管していますか? 納品書は請求書や領収書などと同様に取引の証拠となる証憑(しょうひょう)書類にあたり、一定期間の保管が義務付けられています。保管期間内に破棄や紛失をしてしまうと、欠損金を繰り越せなかったり、消費税の控除を認めてもらえないなど、経理に関わるさまざまな申告が認められない可能性があるので注意しましょう。また、青色申告をしている場合、書類が揃っていなければ青色申告を取り消されてしまう場合もあるため、しっかり保管ルールを作って保管しておきましょう。
納品書などの書類保管期間は?
次に、納品書などの書類保管期間について触れていきましょう。納品書を含む証憑書類は税法で書類保管期間が定められています。証憑書類とは、「取引の証拠となる書類」のことで「領収書」「契約書」「見積書」なども該当します。法人かどうか、赤字があるかなどによって証憑書類の書類保管期間が異なってくるので、わかりやすいように以下にまとめました。
納品書などの証憑書類の書類保管期間(法人)
原則:7年保管
平成20年4月1日〜平成30年3月31日に終了した赤字のある事業年度:9年保管
30年4月1日以降に開始した赤字のある事業年度:10年保管
納品書などの証憑書類の書類保管期間(個人事業主)
5年保管
納品書などの証憑書類は、法人税法によって原則として7年の保管が義務付けられています。これは脱税が発覚した際にさかのぼって追徴課税ができる期間を考慮した書類保管期間です。また、例外として「赤字のある事業年度は9年もしくは10年の書類保管」をしなければいけません。法改正により欠損金(赤字)の繰越期間が延長され、書類保管期間にも変更があったので、気をつけましょう。
個人事業主の場合は、白色申告か青色申告かに関わらず、所得税法によって5年の書類保管期間が定められています。個人事業主の場合は赤字であっても書類保管期間の変更はないため、すべての証憑書類を5年で保管しましょう。
次の項ではオススメの書類保管方法にも触れていくので、参考にしてみてください。
納品書などの保管方法は?
納品書などの証憑書類は量が多いので管理するのにも一苦労ですよね。ここで一度書類保管のルールを決めておき、今後の書類保管を楽にしましょう。会社の形態によって効果的な保管方法は異なりますが、基本的には「事業年度ごとに保管」するのがオススメです。納品書は、請求書など同時に発生するものと合わせて案件ごとにクリアポケットなどにまとめたあと、それを事業年度ごとにまとめましょう。そうすることで、書類保管期間がすぎた際にファイルごと破棄できて手間がかかりません。なお、定期的に取引していて過去の取引書類を見返す会社があるなら、「取引会社ごとに保管」するのもよいかもしれません。あなたの会社によってよりよい保管方法を考えてみましょう。
また、前の項で触れたとおり、会社に赤字があった場合の証憑書類の書類保管期間は、法改正により変更されています。しかし、毎年事業年度ごとに赤字かどうかを確認し、それから破棄するかどうかを悩むのは手間がかかりますよね? 赤字の事業年度があった場合は、すべての事業年度の証憑書類を10年保管で統一したほうが保管は楽です。赤字のない会社でも、経理関係の書類には10年保管のものも多いため、書類の保管スペースが余っているならまとめて10年保管で統一するのもよいでしょう。
納品書などの証憑書類は書類の種類も数も多いため大変です。しかし、大切な書類の破損や紛失がないようにしっかりと管理しなければなりません。一度書類を整理したら、保管から破棄までのサイクルをきちんとルール化して書類保管がスムーズに行えるようにしましょう。
納品書などの書類保管場所に困ったら
納品書などの証憑書類の保管方法が分かったところで、「それでも書類の量が多いから保管場所に困るな……」と思う方もいるでしょう。書類の保管場所に困っているなら、エクセルファイルなどの電子データでの保管や、紙の納品書などをスキャンしたデータの保管をするという手があります。しかし、前もって税務署長の承認を受けなければいけないほか、電子データでの書類保存にはさまざまな条件があるため注意しましょう。スキャンの手間などもかかるため、書類の保管場所があるのであれば紙での保存が無難です。
また、書類保管サービスなどに外部委託するという手もあります。普段あまり使わないような前年度以前の書類は書類保管サービスに預け、保管期間が過ぎたら破棄の手続きを行うのがオススメです。
キーペックスは保管だけでなく電子化サービスもご提供しております。どうすれば良いかお困りの際は、まずはお気軽にご相談ください。貴社にとって運用しやすい方法をご提案いたします。