【企業向け】給与明細の保管期間は?簡単解説!

「給与明細の保管期間って?」「そもそも保管したほうがいいの?」など給与明細の取り扱い方法に悩んでいる労務・経理の方は多いのではないでしょうか。この記事では、給与明細の保管についてゼロから分かりやすくご説明していきます。

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給与明細に保管義務はある?

実は「給与明細」の保管期間や保管義務を定めている法律はありません。そのため、廃棄してしまっても構わないと一般的に解釈されているようです。しかし、給与明細は記載項目が賃金台帳と重なっており、実質的に賃金台帳に該当するのではと解釈されることもあります。賃金台帳は法律で定められた5年間の保管義務があるため、給与明細も念のため5年間保管しておくことを推奨します。

給与明細を保管しておくことで、授業員から未払い賃金請求が行われたときに給与を支払った証拠として役立てることが出来ます。従業員の住宅ローン契約時や確定申告時に再発行を依頼された場合にも役立つため、保管しておくと便利と言えるでしょう。賃金台帳さえあれば支払った給与は確認出来ますが、保管しておいた給与明細を再発行したほうが対応の手間が少なく済みます。

企業には従業員からの給与明細の再発行依頼に応じる法的義務はありませんが、慣習的に対応している企業が多いようです。再発行依頼に応じることで社員からの信頼を得ることが出来ます。しかし、再発行にあたりどうしても手間はかかってしまうため、従業員にもしっかりと給与明細の保管の重要性を伝えておくべきと言えるでしょう。

近年、給与明細をクラウドやPDFで従業員に発行している企業も増えました。そうすることで従業員も各自で確認出来るため、再発行などの余分な手間を減らすことが出来ます。しかし、給与明細を電子で交付する際には、従業員の承諾を得る必要があると法律で定められているため、注意が必要です。給与明細を電子で発行していても、「紙の給与明細を発行して欲しい」と言われてしまった場合には、紙に印刷して渡さなくてはいけない義務もあります。給与明細の電子化には導入の手間と資金もかかるため、会社の状況に合わせてより良い給与明細の発行方法を考えてみましょう。

給与明細の保管期間

給与明細には保管義務が無いため、どれくらい保管しておくと良いのか迷ってしまう方も多いかと思います。前の項である通り、賃金台帳に合わせて5年間保管しておくことを推奨します。従業員の賃金請求権も給与明細が発行されてから5年間のため、保管期間を5年間としておけば困るということは無いでしょう。

給与明細の5年間の保管が難しいのであれば、雇用保険による基本手当などの請求時効に合わせ、保管期間を2年間とするのも良いでしょう。

給与明細の保管方法

給与明細は個人情報となり得る取り扱いの難しい書類のため、保管方法に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、紙の給与明細と電子化した給与明細の保管方法について、それぞれ触れていきます。

紙の給与明細の保管方法

紙の給与明細を保管する場合には、丁寧にファイリングしておく必要があります。「○年の○月分の給与明細が欲しい」と言われることが多いため、会社全体で月ごとに分類して保管するか、従業員ごとに保管すると良いでしょう。給与明細は個人情報に当たるため、鍵付きの棚に保管するなどの対策を取る必要があります。従業員数が多ければ多いほど保管が大変だと思いますが、日焼けや湿気にも気を付けなくてはなりません。給与明細の保管期間もあらかじめ社内で決めておき、書類保管マニュアルなどに記載してしましょう。

電子化した給与明細の保管方法

最初から電子で発行している給与明細であれば、そのままの取り扱いで問題ありません。
紙で発行した給与明細でも、電子化することで社内の書類保管スペースを削減出来ます。給与明細には保管義務が無いため、電子化する際の様式やタイムスタンプなどの取り決めはありません。しかし、もし紙の給与明細をスキャンして保管しておくのであれば、いつでも印刷して再発行出来るように解像度350dpi(モノクロの場合600dpi)の大きさは確保しておきましょう。
また、保管の際には個人情報としての扱いも必要です。個人情報などの書類を保管出来る環境をゼロから整えるとなると骨が折れるため、もうすでに電子化を導入しているのであれば、給与明細も電子化するという形が良いかもしれません。
電子化された給与明細を保管する際には、誰にでも閲覧可能な場所に保管はせず、特定の従業員だけが取り扱えるように「外付けのハードディスクに保管し、ハードディスク自体を鍵の付いた棚に保管する」などの対策を取りましょう。給与明細が必要になった際、どこに保管したのか分かるようにファイル構成もしっかり考える必要があります。もし電子化した書類の書類管理システムを導入してあるのであれば、そのシステムに沿った保管をすると手間が少ないでしょう。

給与明細などの書類の保管に困っているなら

給与明細は再発行の申し出などが無い限り、使う機会の無い書類です。そういった普段使用しない書類が貯まっており、保管スペースや管理の手間に困っているのなら、電子化するという方法の他に、文書保管サービスを利用するという方法もあります。

文書保管サービスとは、外部の書類専門の倉庫に書類を預けられるサービスです。社内の保管スペースの削減になるだけでなく、Web管理システムで保管期間の過ぎている書類を確認し、廃棄申請を行うことで、保管から廃棄までの手間を大幅に削減出来ます。預けた書類が必要になった際には取り寄せられるため、普段使わない書類が多い会社にはうってつけのサービスです。セキュリティ対策も取られており、社内での保管より安心出来るのも良い点です。

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この記事を書いた人

KEEPEXコラム編集部

KEEPEXコラム編集部

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆しています。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽にキーペックスにお問い合わせください。